麻疹について
最近、国内で麻疹(はしか)の患者報告が散発的に見られ、改めて注意が必要な感染症として話題になっています。麻疹は、麻疹ウイルスによって起こる急性のウイルス感染症で、感染力が非常に強いことが特徴です。免疫を持たない人が患者と同じ空間にいると、ほぼ感染するといわれるほどで、季節を問わず流行する可能性があります。
感染の広がり方にはいくつかの特徴があります。麻疹ウイルスは咳やくしゃみのしぶきによる飛沫感染だけでなく、空気中を漂うウイルスを吸い込むことで感染する空気感染も起こします。患者がその場を離れたあとでも、しばらく空間にウイルスが残ることがあるため、同じ部屋にいただけで感染する場合もあります。潜伏期間は通常10日前後で、この間は症状がありませんが、その後に発熱や倦怠感、咳、鼻水、目の充血といった風邪のような症状が現れます。
発症から数日すると、頬の内側に白い小さな斑点(コプリック斑)が見られることがあり、その後に全身へ広がる赤い発疹が出てきます。発疹の時期には高熱が続くことが多く、小児だけでなく大人でも重症化することがあります。合併症として中耳炎や肺炎を起こすことがあり、まれではありますが脳炎など重い合併症につながることもあるため注意が必要です。
麻疹に対しては、残念ながら特効薬となる抗ウイルス薬はありません。治療は基本的に解熱や水分補給などの対症療法が中心になります。体力が落ちている場合や合併症が疑われる場合には入院が必要になることもあります。感染力が非常に強いため、診断が疑われた時点で周囲への感染を防ぐ対応も重要になります。
最も確実な予防法はワクチン接種です。現在、日本ではMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)の定期接種が行われており、2回接種によって高い予防効果が得られます。1回接種でもある程度の免疫はつきますが、2回接種することでほぼ確実な免疫が得られるとされています。成人の方でも、接種歴が不明な場合や1回しか受けていない可能性がある場合には、追加接種を検討する価値があります。
麻疹はワクチンによって予防できる感染症ですが、海外からの持ち込みなどをきっかけに国内で小さな流行が起こることがあります。発熱と発疹があり、周囲で麻疹の情報がある場合には、直接来院する前に医療機関へ電話で相談することが大切です。適切な対応を取ることで、院内や地域での感染拡大を防ぐことにつながります。
流行のニュースを見て不安を感じる方もいるかもしれませんが、まずはご自身やお子さんのワクチン接種歴を確認してみてください。予防接種がきちんと済んでいれば、過度に心配する必要はありません。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では自費接種の場合、期間限定価格としてMRワクチン「ミールビック」を税込み11,000円で接種できます。
当面の間、予約無しで対応が可能です。
