脳卒中
脳卒中は、ある日突然発症することが多く、命に関わったり、後遺症が残る可能性もある怖い病気です。しかし、早期の発見と適切な対応によって、回復の可能性も高まります。
私たち「さとう内科・脳神経クリニック」では、脳神経内科専門医による診療とCTを用いた画像診断を活かし、脳卒中の早期発見と再発予防に力を入れています。
脳卒中の症状について
脳卒中には大きく分けて3つのタイプがありますが、どのタイプも以下のような症状で気づかれることが多いです。
よく見られる症状
- 急に片方の手や足に力が入らなくなる（片麻痺）
- 顔の片側が下がる、ゆがむ
- ろれつが回らない、言葉が出てこない（言語障害）
- 視野が欠ける、物が二重に見える
- めまい・ふらつき・立てない
- 意識がぼんやりする、急に倒れる
こんなときはすぐ受診を
- 突然のしびれや脱力
- 笑顔が左右非対称になる
- 手足に力が入らない
- 意識がもうろうとする
脳卒中は時間との勝負です。少しでも「あれ？」と思ったら、救急を含め、すぐに医療機関にご相談ください。
脳卒中の原因について
脳卒中は、脳の血管が詰まる、または破れてしまうことで発症します。主な原因は以下のとおりです。
脳卒中の主なタイプ
- 脳梗塞（のうこうそく）・・脳の血管が詰まる
- 脳出血（のうしゅっけつ）・・脳の血管が破れる
- くも膜下出血（くもまくかしゅっけつ）・・動脈瘤などが破れて起こる出血
脳卒中の危険因子（リスク）
- 高血圧
- 糖尿病
- 高脂血症（脂質異常症）
- 喫煙
- 飲酒
- 不整脈（とくに心房細動）
- メタボリックシンドローム
当院では、脳卒中の発症を未然に防ぐための生活習慣病の管理や、心電図・血液検査・CT検査を通じた定期的なチェックも行っています。
脳卒中の種類について
1. 脳梗塞
最も多くみられるタイプです。血管が詰まることで脳の細胞が酸素不足になり、壊死してしまいます。
- アテローム血栓性脳梗塞：動脈硬化が原因
- 心原性脳塞栓症：心臓から血栓が飛んでくるタイプ
- ラクナ梗塞：細い血管の詰まりで、無症状のこともあります
2. 脳出血
高血圧などで脳の血管が破れて出血し、脳の組織を圧迫して障害を起こします。
3. くも膜下出血
脳動脈瘤が破裂することで起こる出血で、突然の激しい頭痛とともに倒れることが多く、救命が難しいケースもあります。
脳卒中の治療法について
急性期の治療
脳卒中は発症してから数時間以内の対応が予後（病気の経過）を大きく左右します。脳梗塞に対しては、血栓溶解療法（t-PA療法）が行われる場合があります。
※当院ではt-PA療法は行っておりませんが、発症疑い時の初期対応、診断、速やかな専門病院への連携を行っています。
慢性期・再発予防の治療
- 抗血小板薬や抗凝固薬の内服
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症の管理
- 禁煙・減塩・運動指導などの生活改善
- 定期的な脳の画像検査（CTやMRI）
当院では、脳卒中を経験された方の再発予防、生活の質の向上を重視した継続的なサポートを行っています。
脳卒中についてのよくある質問
Q1. 以前脳梗塞を起こしたことがあります。定期的なチェックは必要ですか？
A1. はい、必要です。再発のリスクが高いため、血圧やコレステロールの管理、定期的な画像検査が推奨されます。
Q2. 脳卒中の前ぶれにはどんなサインがありますか？
A2. 「一過性脳虚血発作（TIA）」と呼ばれる、一時的に症状が現れてすぐ消える状態がサインになることがあります。早めの受診が重要です。
Q3. 頭痛があるだけでも受診した方がいいですか？
A3. 繰り返す頭痛や、いつもと違う激しい頭痛がある場合は、脳出血やくも膜下出血の可能性も否定できません。CT検査を含めたチェックをおすすめします。
院長より
脳卒中は「予防できる病気」「早く対応すれば回復の可能性がある病気」です。私は神経内科を専門とし、CTを用いた脳の評価や再発予防、生活指導に長年取り組んできました。
突然の症状で不安になったとき、どこに相談すればよいか迷うことがあるかもしれません。当院では、「気になったらまず相談」できる場として、患者さんやご家族の不安を受け止め、一緒に歩んでいける医療を目指しています。
「脳のことで不安がある」「家族に脳卒中を起こした人がいる」…そんな方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
